00/02/18

少年は赤毛で――ブロイの三つ子より赤く、血とはらわたを持つ花よりも赤い――目を伏せたまま笑った。まつげは金色だ。透きとおった肌に緑の光が映って、蛍光を発していた。だがふつうの光で見れば、その肌が死にかけたホワイティーみたいに青白いのは見当がついた。
（サミュエル・Ｒ・ディレイニー「アインシュタイン交点」伊藤典夫訳・ハヤカワ文庫）

こんな登場場面（と言ってもモニタ内だけど）のキッド・デスの勝手に想像ラフ。
目は白目のない金色の犬の目、細い鮫のような歯、赤毛はもじゃもじゃで、鰓もある。４本腕のスパイダーや、緑のひとつ目など、他の登場人物たちに比べると、想像しやすいキャラクターかも。ただ髪はもっと赤くしないと、これじゃオレンジだね。

「バベル-17」を書いたディレイニーは、私の最も好きなＳＦ作家のひとり。重層的なメタファーが目の中で交差するようなイメージがたまらない、唯一無二つーかひとりジャンルな作家かなあ。一冊だけ読んでみるなら、「バベル-17」が読みやすい、かな。